cc-sddで始める仕様駆動開発(SDD)|Claude CodeにKiroスタイルを導入する完全ガイド
AIツールを使ったコーディングが普及する中、「指示を出したら思いどおりのコードが生成される」いわゆるバイブコーディングの問題点が浮かび上がってきました。仕様がないまま実装を進めると、手戻りが発生し、コードの品質も安定しません。
この記事でわかること:
- 仕様駆動開発(SDD)とは何か、バイブコーディングとの違い
- cc-sddのインストール方法と基本的な使い方
- KiroスタイルのSDDフローをClaude Codeで実践する手順
- 11個のスラッシュコマンドの役割と使い分け
対象読者:Claude Codeを使っている開発者、AIコーディングの品質に課題を感じている方
結論:cc-sddを使えば、npx cc-sdd@latest --agent claude --lang jaの1コマンドでKiroスタイルのSDD環境をClaude Codeに導入でき、仕様書ファーストの構造化された開発ができるようになります。
目次
仕様駆動開発(SDD)とは何か
バイブコーディングの問題点
「バイブコーディング」とは、詳細な仕様を定めずにAIに自然言語で指示を出しながらコードを生成していく開発スタイルです。素早くプロトタイプを作る際には便利ですが、以下のような問題が生じやすいです:
- AIが勝手に解釈して意図と異なる実装をする
- セッションをまたぐとAIが文脈を忘れる
- チームで開発する場合に品質がバラつく
- 後からリファクタリングや機能追加が難しくなる
SDDとは「仕様書ファースト」のアプローチ
仕様駆動開発(Spec-Driven Development / SDD)は、AWSの新しいAI IDE「Kiro」が提唱したアプローチです。コードを書く前に要件 → 設計 → タスクという段階を踏み、各フェーズで人間が承認することで、AIが仕様に忠実に実装します。
「AI executes, human validates(AIが実行し、人間が検証する)」という原則のもと、承認ゲートを設けることでコードの品質と意図の一致を担保します。
cc-sddとは
cc-sddは、KiroスタイルのSDDをClaude Code・Cursor・Gemini CLIなど複数のAIエージェントで使えるようにしたnpmツールです。
1コマンドで以下をプロジェクトに追加できます:
- 11個のスラッシュコマンド(仕様策定・実装・検証)
- Project Memory(Steering):プロジェクトの文脈をセッション間で保持
- 13言語対応(日本語含む)
対応AIエージェント:Claude Code、Cursor、Gemini CLI、Codex CLI、GitHub Copilot、Qwen Code、OpenCode、Windsurf IDE
Claude Codeのインストール方法はClaude Code のインストール方法【完全ガイド】を参照してください。
cc-sddのインストール方法
プロジェクトのルートディレクトリで以下のコマンドを実行します:
npx cc-sdd@latest --agent claude --lang ja
実行後、プロジェクトに.kiro/ディレクトリが作成され、スラッシュコマンドと設定ファイルが追加されます。
cc-sddの開発フロー【全ステップ解説】
cc-sddの開発フローは以下のステップで進みます。
Phase 1: プロジェクトメモリの設定
/kiro:steering
プロジェクトのアーキテクチャ、技術スタック、コーディング規約などをAIに記憶させます。これにより、セッションをまたいでも一貫した品質で実装が行われます。ドメイン固有の知識を追加したい場合は/kiro:steering-customを使います。
Phase 2: 仕様策定(4ステップ)
① 機能の初期化
/kiro:spec-init <機能の説明>
# 例: /kiro:spec-init ユーザー認証システムをOAuthで実装する
AIが機能の構造化プランを作成し、.kiro/specs/ディレクトリに保存します。
② 要件定義
/kiro:spec-requirements <機能名>
EARS形式(Easy Approach to Requirements Syntax)で要件と受け入れ基準を生成します。AIが不明点を質問してくれるため、曖昧な仕様をなくせます。
→ 人間が内容を確認・承認してから次へ
③ 技術設計
/kiro:spec-design <機能名>
要件をもとに技術設計を生成します。システムフロー図、データモデル、API設計などが含まれます。既存プロジェクトでは/kiro:validate-gapでギャップ分析、/kiro:validate-designで設計検証も可能です。
→ 人間が設計を確認・承認してから次へ
④ タスク分解
/kiro:spec-tasks <機能名>
設計を実装タスクに分解します。タスクには並列実行マーカーが付くため、複数のAIサブエージェントによる並列実装にも対応します。
Phase 3: 実装
/kiro:spec-impl <機能名> <タスク番号>
TDD(テスト駆動開発)でAIが実装を進めます。仕様書を参照しながら実装するため、意図からのズレが発生しにくいのが特徴です。進捗は/kiro:spec-statusで随時確認できます。
Phase 4: 検証
/kiro:validate-impl <機能名>
実装が仕様書の要件を満たしているかを自動検証します。問題が見つかった場合は修正箇所を具体的に指摘してくれます。
cc-sdd 開発フロー図

バイブコーディングとの使い分け
| バイブコーディング | cc-sdd(SDD) | |
|---|---|---|
| 向いている場面 | 素早いプロトタイプ、個人の小規模プロジェクト | チーム開発、長期プロジェクト、品質重視の実装 |
| 仕様管理 | なし(会話で都度指示) | あり(.kiro/specs/に永続化) |
| セッション引継ぎ | 困難 | Project Memoryで自動引継ぎ |
| 導入コスト | 低い | やや高い(最初の仕様策定が必要) |
「まず動くものを作りたい」ならバイブコーディング、「長期的に保守できるコードを作りたい」ならcc-sddが向いています。
よくある質問(FAQ)
Q: Claude Code以外でも使えますか?
A: はい。Cursor、Gemini CLI、Codex CLI、GitHub Copilot、Windsurf IDEなど8つのAIエージェントに対応しています。インストール時に--agentオプションで指定します。
Q: 既存プロジェクトに途中から導入できますか?
A: できます。既存プロジェクト向けには/kiro:validate-gap(ギャップ分析)や/kiro:validate-design(設計検証)コマンドが用意されています。
Q: AWS Kiroとcc-sddの違いは何ですか?
A: AWS KiroはVS Codeベースの有料IDEです。cc-sddはKiroのSDD思想をオープンソースで再現したnpmツールで、既存のAIエージェント(Claude Codeなど)に追加する形で使えます。
Q: 日本語での利用はできますか?
A: はい。--lang jaオプションを付けることで、コマンドの出力や生成される仕様書が日本語になります。
まとめ
cc-sddは、AIコーディングの「バイブ(雰囲気)まかせ」から脱却し、仕様書ファーストの構造化された開発を実現するツールです。
npx cc-sdd@latest --agent claude --lang jaで即導入- 要件 → 設計 → タスク → 実装 → 検証の段階的フローで品質担保
- Claude Codeを含む8つのAIエージェントに対応
- Project Memoryでセッション間のコンテキストを維持
AIコーディングの品質に課題を感じている方は、ぜひcc-sddの導入を検討してみてください。



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